OSはなにを選ぶ?Hybridはどうなる?──レノボ本社のタブレットデバイス責任者に聞く

(2011年08月6日)


 


 レノボは、2011年の夏にタブレットデバイスを全世界に向けて投入した。これまでも、「LePad」といわれる製品を中国市場に限って投入してきたが、ThinkPad TabletとIdeaPad Tablet K1の登場で、レノボのタブレットデバイス事業は本格的に始動したことになる。


 レノボは、タブレットデバイスをはじめとするモバイルインターネットデバイスなどを管轄する部署として、2011年4月にMIDH事業部を設立した。この事業部では、タブレットデバイスを含めたモバイル製品や、スマートテレビなどの家庭で使うエンターテイメントデバイス、そして、これらのデバイスで利用できる家庭向けのサービス提供にいたる広い分野をカバーする。


 MIDH事業部でタブレットデバイスを担当するジェネラルマネージャーが、シャオ・タオ氏だ。そのタオ氏に、MIDH事業部の役割と組織、そして、レノボが考えているこれからのタブレットデバイスについて聞いた。


──2011年春のタイミングでMIDH事業部を新規に立ち上げた理由は。


タオ氏 MIDH事業部の設立は2011年の春だが、それに向けた動きは2009年にレノボが売却していたモバイル事業部を買い戻すところから始まっている。このときから、PC事業グループと並行して、パーソナルモバイルインターネットに力を入れている。その後、2010年に中国でLePhone(スマートフォン)、LePad(タブレットデバイス)を出荷した。


 今回、MIDH事業部としてコンシューマー向けのタブレットデバイス「IdeaPad Tablet」シリーズを全世界で出荷することになった。しかし、モバイルインターネット事業としての活動は、その前から進めていたのだ。


──MIDH事業部に所属する部隊と規模、そして、本部拠点は。


タオ氏 MIDH事業部の本部は北京にある。所属するビジネスユニットには、モバイルフォン(従来タイプの携帯電話)、スマートフォン、(タオ氏が管轄する)タブレットデバイス、そして、スマートテレビがある。人員は、現在も増員中であるため、具体的な数を上げることはできない。


 従来タイプの携帯電話を扱うモバイルフォンと、スマートフォンのグループは別にしている。スマートフォンは急激な成長を示しているが、絶対数という市場規模でいうと、モバイルフォンがはるかに大きい。スマートフォンの市場に対しては攻めの姿勢で、モバイルフォンの市場に対しては守りの姿勢でいく。


  pad pc以外のOSは?


──MIDH事業部は、“ハードウェア”の研究開発部隊も擁するのか。


タオ氏 投資という意味で、力を入れているのはソフトウェアの部門だが、MIDH事業部の各グループに関係するハードウェアの開発部門も用意している。モバイルフォンでは上海に開発拠点を置き、スマートフォンは北京の拠点で開発を行っている。


 ただ、これらの“開発”は比較的短い期間で成果を出すことが求められるのに対し、ラーレイ、大和研究所、北京の“研究”拠点では、よりスパンの長いテーマについて取り組んでいる。ラーレイではインフラ、大和研究所ではメカニカルやマテリアルに関するもの、北京ではソフトウェアとOSに関連する研究を主に行っている。


──10.1型ワイド以外のディスプレイサイズでタブレットデバイスを展開する計画は。


タオ氏 現在、製品の主流が10.1型ワイドなので、最初の製品として投入したが、今後も市場で求められるディスプレイサイズについては製品を検討していく。ただ、現時点で、具体的な製品の計画は決まっていない。


──タブレットデバイスのOSとして、Android以外、  ZENITHINK E987、MeeGo、そして、ARM対応版のWindows 8について、レノボはどのような評価を。


タオ氏 現在、タブレットデバイスのOSとして、Androidが最もポピュラーなので、これを採用している。ユーザーの志向は常にチェックしているが、新興国を含めて、Andorid以外のOSを導入したタブレットデバイスの計画は現在のところない。ARM対応のWindows 8については、クロスプラットフォームとしての魅力はあると考えているが、それ以上のことは、何も分からない段階だ。


 MeeGoについても、現在、製品を投入する予定はない。モバイルインターネットに利用する製品の開発は、非常に多くの技術要素を積み重ねて高い塔を築き上げるような作業だ。投入する時間も人員もコストも膨大になる。そのため、1つのプラットフォームとOSにすべてを集中することが求められる。ただ、ユーザーに選択できる候補は多いほうがいい。MeeGoを求めるユーザーが多くいるのであれば、その製品も検討することになるだろう。


 Windows 7を導入した「IdeaPad Tablet P1」を投入するのは、法人、SOHOユーザーが、PCで使っている環境をシームレスでタブレットデバイスでも使いたいという要望があったからだ。なお、小規模企業やSOHOのユーザーの志向は個人ユーザーともオーバーラップしており、IdeaPad Tablet P1もコンシューマー向けのラインアップで登場したことに注意してほしい。


IdeaPad U1 Hybridで評価すべきなのは“そこ”でない


──IdeaPad U1 Hybridのようなディスプレイ分離型のデバイスをASUSやAcerが投入して注目されているが。


タオ氏 IdeaPad U1 Hybiridは、ASUSやAcerのディスプレイセパレートモデルとはまったく異なる、別カテゴリーの製品で、2つのシステムを1つのデバイスにまとめたことが重要なポイントだ。


──COMPUTEX TAIPEI 2011で行われたMicrosoftのセッションで、WindowsとAndroidを切り替えるデバイスが注目されたが。


タオ氏 ユーザーが2つのシステムを切り替えて使う製品に注目しているという情報は、いま初めて接したが、とにかく、現状でIdeaPad U1 Hyubridは中国の法人に限定して出荷している。ディスプレイが分離するタイプの製品についても、ユーザーがこの種類のデバイスにどのような意見を持っているのかを把握した上で、検討していきたい。


 

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